家づくりコラム
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2016/06/01

安全のために知っておきたい地盤調査 入門編

安全のために知っておきたい地盤調査 入門編

はじめに

 マイホーム建築にあたって、非常に大切な地盤の安全性。軟弱地盤に対策なく家を建てると、扉が開かなくなったり、外壁に亀裂が走ったり、家が傾いたりすることがあります。
 近年の大きな地震をきっかけに地盤にも注目が集まっており、研究が進んでいる最中です。本記事では、現状の地盤調査をやさしく解説します。入門編として読んでいただければ幸いです。

地盤調査とは?

 主に、地盤の強度を測ることを「地盤調査」と言います。地盤調査の目的は、「地盤が構造物(建造物など)を支えることができるか」「構造物を支える方法」を調べることです。
例えば、不均一な軟弱地盤の上に建物を建てると、「不同沈下」という、建物の一部や片側などが不均等に沈下することがあります。他にも広域地盤沈下、液状化現象など、地盤の不具合による現象はいくつもあり、地盤の強度が建物の構造に影響するため、地盤調査は計画前に行われます。
あらかじめ地盤を調べておくことで、地盤改良などの対策が立てられるのです。

地盤調査でわかること

 地盤調査でわかることは、地盤の耐震性、透水性、液状化の危険性、地下水位、安全な工法、自然地盤か人工的なものであるかなどの項目です。
災害が発生しやすい地盤かどうか、過去のデータから判断することもできます。

地盤調査の種類

 地盤調査の種類は、スウェーデン式サウンディング試験法、ボーリング地質調査、平板載荷試験など、複数あります。その中で最も主要な試験方法が「スウェーデン式サウンディング試験法」です。
 スクリューポイントを装着したロッドを地盤に回転貫入させ、貫入時に要する荷重と回転数から抵抗値を測定します。迅速かつ容易に測定ができるため、木造2、3階建ての戸建住宅には広く用いられています。

地盤調査の簡単な読み方と判定基準

 さて、地盤調査が行われると、報告書を読むことができます。専門的で難しい印象があるので、ここでは、スウェーデン式サウンディング試験法の地盤調査の報告書を非常に簡単に読み取る方法をご紹介します。注目するのは「換算N値」と「許容地耐力」です。

・換算N値とは

 非常に大まかに言うと、「換算N値」が「地盤の硬さ」です。「ロッドをハンマーで何度叩けば貫入するか」が指標で、数値が高いほど硬く締まった地盤です。
 注意すべきボーダーライン:粘性土の場合、換算N値が3以下、砂質土では換算N値が4以下の地盤を「軟弱地盤」とします。

・許容地耐力とは

 「許容地耐力」とは、地盤の「許容応力度(荷重に耐える力)」と「許容沈下量(沈下に耐える力)」の両者を合わせて、地盤の強度を示す指標です。表記が場合によって違うため混乱しやすいですが、「許容応力度」=「許容支持力度」です。建物の荷重によって地盤に発生する応力度の許容値を表します。
また、「許容沈下量」とは、建物にひび割れなどが発生しない限界の沈下量を指します。そして、許容沈下量と許容支持力のうち、値が低い方を「許容地耐力」とします。

・注意すべきボーダーライン

粘性土では、許容地耐力が3t/㎡以下が沈下に注意が必要な目安です。砂質土では、5 t/㎡以下の場合、地震時の液状化に要注意とされています。

熊本地震と盛土

 ちなみに、2016年の熊本地震では、「盛土」の場所で、地すべりなどの大きな被害が出たことがわかっています。「盛土」とは、「土を新たに盛ること」で、自然に形成された地盤ではなく、谷を埋めたり、崖や斜面に土砂を盛ったりした造成地です。
専門家の調査によると、地震の揺れで盛土が崩れた場所は、特に被害が大きくなってしまったようです。熊本地震に関しては様々な調査がなされていますが、こちらに地盤工学会の説明会資料をご紹介させていただきます。

(公社)地盤工学会 熊本地震地盤災害説明会 <会場:福岡市> 
― 被害の状況とこれから私たちが気をつけること ―
https://www.jiban.or.jp/index.php?option=com_content&view=article&id=1847:20160427kumamoto-jisinsaigaihokokukai&catid=52:2008-09-15-02-30-46&Itemid=29

まとめ

 熊本地震から、地盤の安全性に疑問を抱かれた方も多いのではないでしょうか。今後の研究により、地盤に関する安全基準が更新されていく可能性もあります。住宅だけでなく、土地の知識も深めてマイホームの安全を守っていきましょう。
 また、新築や建替をお考えの方で土地の問題を抱えていらっしゃる方には、事前に地盤調査が行える場合もございますので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

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